STORY
あらすじ
3ヶ月の失踪後突如帰宅した妻・結子(酒井法子)を夫・昭彦(斎藤歩)は「別人」だと主張。退職直前の失踪課の假屋警部(柄本明)は、新人刑事に「あの家の防犯カメラは、外向きでなく内側向きだった」と指摘する。夫の精神カウンセラー・山井(西岡德馬)に、「夫は祖父の遺産をもらえなくなるから、私が戻ってきたら困るはず」と相談する結子。結子の前に夫の女(長澤奈央)まで現れる一方、失踪者を調べるのが趣味のフリージャーナリスト・青柳(金山一彦)は、島で民宿を営む佐藤(角替和枝)に会いに行き…二転三転する物語の行き着く先は…
COMMENT
コメント
主題歌:大黒摩季
コメント
「 ずっと 誰にも何も言えなくて。もう 何もなくて。 どこにもいる場所がなくて…。ごめんなさい…。 」この度、酒井法子さんの幻の作品と言われた映画『空蝉の森』の公開にあたって、昨年発表しました新曲「OK」を主題歌として選んでいただきました。お話を頂いたとき選曲する為に試写を見せて貰い、この台詞が胸に突き刺さりました。
まるで生きていてごめんなさい、と言わんばかりに何度も「ごめんなさい。」と謝るのが癖のような結子。泣けない雌蝉の様に孤独の扉の内側で密やかに燃える情念。愛・運命という呪縛の中で、いっそ心など捨ててしまいたいと思う局面は、女性ならば一度は触れる境地だと思います。そんな結子を無償の愛で抱き締めてあげたい、一瞬でも憎しみの緊張感から解き放ってあげたい、そう思い、映画の色に沿ったブルージー&Minorの楽曲もありましたが、あえて希望感のもとにゴスペルという絶対的な声の包容力で痛んだ心を抱き締めてくれるこの楽曲を聞いて頂きました。
そしてふと、25年前に酒井さんのヒット曲「碧いうさぎ」のコーラスをやらせていただいたことを思い出しました。お互いまだ夢という光輝くものしか見てなかった碧い頃…。四半世紀の時を経て再びご一緒するなんて、未来とはやっぱり素敵なものですね☆彡。
悲しみの果てに見える微かな願いと希望を感じ取り、自分を取り巻く幸せに気づける奥深く静美な作品です。公開を楽しみにしています。